徒然HSP日記

20代、HSP女子が生きやすい生き方を探る。

ベクトルが向かい合うしかない

ここでひとつ正直に申しますと、わたしは恋がわからない。

 

 

知人の佐伯さん(仮名)に彼女ができたとき、わたしは彼に訊いた。

 

「なんで付き合おうと思ったの?」


「え、うーん。一緒にいて楽しいから?」

 

わからない。


一緒にいて楽しい人はたくさんいる。

 

 


 


知人と書いたが、実はどう書こうかと迷った。

友人としてみたり、知人としてみたり。

結局友人とは書けなかった。

 

私は彼が好きだ。

 

私と彼の関係はどんなものだろうと考えてみたけど思いつかなかった。

そもそも私と彼の間に関係なんてあるのだろうか。

 

私は彼が好きだ。

だけど彼はどうなのか。

 

嫌われてはいないと思う。

会えばいつも抱きしめてくれる。

私のことを知っていてくれる。

私のことを覚えていてくれる。

 

だけどその比重はきっと私に大きく傾いている。

 

あれ、友だちってなんだっけ。。

 


 


佐伯さんと出会ったとき、一目見て、好きだと思った。


髪の色、顔、服、身体、纏う雰囲気、そのバランス。

この人がほしい、と思った。


話しかけてみたけれど、なんだかちぐはぐな会話。

合わないのかなあ、と落ち込みつつも


諦めずに話しかける。

好きだと言い続ける。


そうして少しずつ距離が近づいた感覚がした。

 

だけど、話を聞くたびに、

一緒にいるイメージはできなくなっていった。

 

彼が楽しいことをわたしは楽しめず、

わたしが楽しいことを彼は楽しめない。


これは致命的なことに思えた。


だって、一緒に何かに向かうことができない。

一緒にいるとき、向き合うしかないのだ。


それはあまりにも窮屈だと思った。

 

だけど

相変わらず、わたしは佐伯さんが好きなのである。

 

 


これを恋と呼ぶのだろうか。

 

その姿を見つければ嬉しくなり、

抱きしめられると幸せな気持ちになる。


だけど、


共に歩むことはできない、と思う。


それでも、


人生のふとした瞬間に、彼のことを思い出して、彼に会いたくなることはまぎれもない。

 

 

わたしは、わたしに会いたいと言わない彼が好きなのかもしれない。


いつも待つ場所にいて、そこに行けば会えるこの距離を手放したくない。